伊藤計劃『ハーモニー』
発想の新しさ。
それがこの作品にはある。
伊藤計劃の『ハーモニー』
初版(文庫版)の表紙は白一色のシンプルでいいデザインだった。
なのに映画化の関係か、以降の表紙にはアニメキャラが描かれるようになった。
(気に入らない)
冒頭がすでにこれまでの小説とは一線を画して斬新だ。
これだけで、これまでの小説に対するイメージが崩れた。
まだ、こんなことができるんだ。
小説は言語、文字で紡がれている。
文字には様々な意味、価値があるが、表現の広がりを見せてくれるような作品には滅多に出会えない。
特に最近の小説は、ジェットコースターみたいなギャップや意外性で読み進めさせるものばかり。
そんな中、僕の前に彗星のように現れたのが『ハーモニー』だった。